根岸の部屋

備忘録がてらに将棋(主にソフトとか角交換四間飛車とか)について書き殴ってます。棋力は絶賛伸び悩み中\(^0^)/ Twitter→@39th_theory

未熟さ

 最近、ネット将棋で居飛車を指すようになった。今までは角交換振り飛車を中心に振り飛車一辺倒だったが、いまでは先後や相手が居飛車振り飛車かを問わず居飛車を採用する割合が増えた。居飛車党に転向したという訳ではないが、戦型ごとの採用率をみれば、純粋振り飛車党とは言えなくなったかもしれない。

 居飛車をやるようになった理由はいくつかある。一つは今までのスタイルに閉塞感を感じたこと。優秀な角交換振り飛車対策が増え、またそれを採用する人も多くなってきてつらさを感じるようになったためだ。自分が弱いのが悪い部分もあるとはいえ、優秀と思っている作戦をやられてペースを握られ、そのままリードを広げられて負けたときの虚無感はしんどかった。

 次に、様々な戦型に対応できる応用力・大局観を身につけたかったことだ。最近は振り飛車であっても居飛車的な感覚が要求されることが増えた。また、そうでなくとも同じような将棋ばかり指していては、その形の経験値は積めるがそこから外れたときの対応力が身につきにくいと思った。将棋は相手があるゲームであり、自分の形に誘導できるとは限らないし逆に相手の土俵に持ち込まれてしまうかもしれない。そのとき多くの戦型の経験値を持っていればこちらもその場その場での対策の引き出しを多く持てるだろうと考えた。そこで、他の振り飛車をレパートリーに加えるという手もあったが、新しく覚えたいと思えるほどの戦法はあまりなかった。そこでいっそのことおおむね指しづらさを(私が)感じがちな振り飛車よりも居飛車にしてみてはどうか、となった。

 また、終盤力の強化という狙いもある。個人の印象論で恐縮だが、相居飛車は攻めが囲いを直撃しやすく、仕掛けから即終盤になりがちであったり、中盤の捻りあいの要素にならないことがあったり、有利は有利だが攻めが細く、勝ちきるのに腕力が要るだとか、序中盤でポイントを稼いでも、終盤の競り合いでワンミスしただけでひっくり返ったりしがちと思う。そこで居飛車系を指せば否が応でも中終盤勝負の展開が多くなるため、終盤力の鍛錬になるのではないかと考えた。

 などという思惑で居飛車をやり始めてみたが、居飛車系の将棋の予備知識はほとんどない。定跡などほとんど知らないし、ましてや研究など持ち合わせてもいない。だいぶ見切り発車的に始めたため、序盤ではめられていきなり惨殺されたりすることもあるが、まあこれは仕方の無いことだろう。

 それよりも自分がショックだったのが、振り飛車オンリーのころよりもレートが特段落ちていないということだ。

 それの何が悪いのかと思われるかもしれない。確かにレートは落ちないにこしたことはない。しかし、この結果は私のこれまでの将棋を否定するものに他ならない。

 今書いたように私の居飛車はかなり穴ぼこだ。精度は低く、とても有段者、特に研究家の方から見れば論外なレベルでしかない。そんな程度の居飛車で、私が今まで一本槍でやってきた振り飛車と大して変わらんレーティングが叩き出せた。これはすなわち、私の振り飛車なんて所詮その程度だったということだ。居飛車は慣れていないから、勉強していないから、知識が無いから、怖いから、振り飛車ばかりしていたのに、いざ蓋を開けてみればこれだ。他の戦型の勉強を端折ってまで自分の形ばっかりやっていたのに、その程度の精度しかないものにしかなっていなかったのだ。

 これは酷い。今まで通りのやり方では、絶対にダメだ。そう痛感させられた。